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四方拝

しほうはい

平安初期の嵯峨天皇朝に始まった元旦の四方拝と、その曾孫の宇多天皇が始められた毎朝の四方拝がある。前者は元日早朝、清涼殿東庭に降りて畳敷の御座から、天皇が、その年の属星(運命を決定する星)と四方の神々及び山陵(両親の陵)を拝し、1年の無事を祈られた(儀式書『内裏儀式』など)。明治5年(1872)以降は、未明の5時半、皇居内(初め賢所、のち神嘉殿)の南庭で、伊勢神宮、天神地祇、神武天皇と父帝の山陵及び武蔵国・山城国などの諸大社を拝することとなり明治41年(1908)公布の皇室祭祀令にも規定され、現在に至る。天皇ご自身が行われるもので、代拝はできない。

【参考文献】
所功「「元旦四方拝」の成立」『平安朝儀式書成立史の研究』(国書刊行会)
同「近現代の宮中祭祀」『皇室事典』(角川学芸出版)
杉本一樹「四方拝」『国史大辞典』(吉川弘文館)

宮内庁書陵部資料目録画像公開システム 『公事録』「附図」(明治時代)1頁目が「四方拝出御図」