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皇位の象徴「高御座」に注目

平成30年4月20日

皇位の象徴「高御座」に注目                                                                                所   功

来年予定の皇位継承に向けて、はや様々な準備が始まっている。その一つが、皇位の象徴ともいえる「高御座」(および皇后用の「御帳台」、以下同)の移動である。

現在、京都御所の紫宸殿に据えられている高御座は、大正2年(1913)、大礼に先立って造立された。それが京都で行われた大正と昭和の即位礼だけでなく、東京で行われた平成2年(1990)の即位礼にも使用されている。

その時は、丁寧に解体して、京都から東京まで陸上自衛隊のヘリコプターで移送された。それが今回は、今年8月ころ解体して陸送され、約百年ぶりに飾金具や漆塗等の修繕をした上で、来年十月の即位礼に用いられるという。

この高御座について、私は平成二年春、㋑考証論文「高御座の伝来と絵図」(『京都産業大学世界問題研究所紀要』10)、㋺史料紹介「平(谷口)胤禄注進『高御座』勘物」(『産大法学』24巻1号)などと共に、㋩解説「高御座の来歴」(別冊歴史読本『古式に見る皇位継承「儀式」宝典』新人物往来社)を書いた。そのうち一番簡略な㋩をここに転載する。

なお、高御座に関する主な論考として、その後次のようなものがWEB公開されている。

①古尾谷知浩・箱崎和久両氏「高御座の考証と復原」(『奈良文化財研究所年報』平成9年)

②川本重雄氏「天皇の座 ―高御座・倚子・大床子・平敷―」(『家具道具室内史』1号、平成21年)

③吉江崇氏「天皇の座と儀礼構造 ―高御座に関する考察から―」(同『日本古代宮廷社会の儀礼と天皇』平成30年2月、塙書房所収の初出論文)